日本エイズ学会特別教育セッション_症例から学ぶHIV感染症診療のコツ

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HCMI-J

協賛:GSK

●2002年(第16回日本エイズ学会・名古屋)INTERACTIVE_Case2
  座長: 青木 眞 先生(感染症コンサルタント)
    岩本 愛吉 先生(東京大学医科学研究所 教授)
「Interactive Session−症例から学ぶHIV感染症治療のコツ」
Michael S. Saag. MD (The University of Alabama at Birmingham)
山元 泰之 先生(東京医科大学 講師)
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症例2の#4のコメント
既にNAMと呼ばれるNRTIに耐性を寄与する変異が認められておりAZTやd4Tに期待する事は難しくオプション1や2を選ぶ人は少ないです。ジェノタイプではNNRTIに期待出来そうですが既にNVPでウイルスのコントロールを失った既往がありますので実際にはそれほど期待できません。NVPのあとにNFVを柱とする処方が暫く使用されており、この時点でNNRTI耐性株は、どこかに潜んでしまったと考えるべきです。あくまでも「ジェノタイプは現在使用中の薬剤に対してのみ使える」という事、薬歴が非常に重要である点を再確認しておきます。岩本先生によるとL90Mの変化があり、かなりプロテアーゼも苦しくなっています。サーグ先生は184がまだ出ていないのでABCは効く可能性があるとされました。
症例2の#6のコメント
結局、この症例ではNFVに対する交叉耐性の少ないIDVをRTVでブーストする処方が選択されましたがまもなく有効性を失いました。そして得られたのがこのジェノタイプです。より多くのNRTI関連、PI関連の耐性変異を認めます。
症例2の#7のコメント
さすがにこの時点でのオプションは限られており多くの参加者はテノフォビルを選択しました。サーグ先生は遺伝子型からはどれも効かない可能性が高い。テノフォビルも効かない可能性が高いとコメントされました。
症例2の#8のコメント
この時点ではジェノタイプによる判断には限界がありフェノタイプが使用された結果です。
症例2の#9のコメント
d4T、ddIに対するfold resistanceの値が低いのでオプション2と3を選択する方が多いのですが、ここで注意が必要です。それはd4T、ddIのフェノタイプを判断するにあたり本当のカットオフ値は実際には1.8を用いるべきであるという事です。この意味ではd4T、ddIにあまり期待する事ができません。サーグ先生の一般的なルールとしては「AZTが駄目になる時には、まずd4Tも駄目になっておりddIも耐性を取られ初めている」と考えるべきとの事です。PIに関しては血中濃度の測定(TDM)なども重要になってくると思われます。LPV,APVだけでなく十分な血中濃度が得られればSQV,IDVもオプションに入る可能性があるとの説明でした。ABCやテノフォビルはギリギリの線と言えるでしょう。このようにジェノタイプのみが与えられた場合と更にフェノタイプが与えられた場合とで薬剤の選択について大きな違いが出てくるのです。岩本先生のコメントもd4T、ddI、ddCなどはin vitroで低い値を示すのですがカットオフも低いので注意が必要とされました。逆にPIなどでは値が多少高くてもRTVとの併用などで血中濃度を上げる事ができれば有効性が得られる可能性も指摘されました。岩本先生はLPVを選択されます。
症例2の#10のコメント
STIについては治療中断により血中のウイルスを野生株に戻す事が出来ますが、同時にウイルス量の増加、CD4の減少というコストを伴うものであり、通常の戦略とはなりえません。但し特別に選ばれた症例においては検討の価値はあるでしょう。もし行うのであればウイルス量やCD4の急激な変化にすぐ対応できるように丁寧・注意深くに経過を追う必要があります。コメンテーターの山元先生もHAART開始時点でのCD4が低い事などから注意が必要であると指摘しておられました。

 
 
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